赤いプレリュード
大学に入って、腹一杯麻雀が打てる、
と、足を運んだ駅前の雀荘。
赤いプレリュード、耳のピアス。
学部の先輩Kさんが、その店で働いていた。
プレリュードはめちゃモテルマシン。
リトラクタブルの眼差しは
乙女のハートを釘付けさ。
ピアスとかもなかなか真似できない。
4コマ目の講義が終わると、その店へ。
ピンの卓がたつ午後7時くらいまで
点5で遊んでくれる。
めちゃめちゃスタイリッシュなK先輩と打てることは、
なんだか大人の階段を登っているようで
田舎者な自分は、とてもワクワクした。
その日も大学の講義がおわり
駈け足で、坂を駆け降りてその店へ。
入店すると、即座に
「おう、おつかれ。コーヒーか?」
Kさんがカウンターから声をかける。
このいっぱしのお客さん扱いしてもらえてる
そういう感じもまた、嬉しかった。
少しして、常連さんポツポツが来店。
「おう、点5で遊んでやるぞ!」
と、卓につく。
ここからの半荘2回もしくは、3回は
私にとっては、珠玉の時間。
こんな強いひとたちと、点5で打ってもらえる、
そのことが、たまらなく誇らしかった。
だが、その日はいつもと、ほんのちょっと
様子が違っていたんだ。
posted by ゆうゆう at 2021-04-12 15:39
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