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せきにん、とってね?


テンパイ即リ!

発を「ポン!」

ツモ切った中を「ポン!」

「白」を掴み、美しい48000を献上した。

雀莊の壁に、

「役満おめでとう」と短冊が貼られた。


あれから、30年。

「リーチを打たずにいられない!」

自信しかない五八ワンリーチ。

牌山には、おそらく8枚くらいいるはず!

リーチをかけて、

サイドテーブルに置いてあるお茶を口に、

一発ツモは、五ワンかな?八ワンかな?

そんな風に思っていたのに、

なんか、緊急事態宣言発令。

発は一打目に切っておいたので

大三元の可能性は、まったく考えてなかった。

対面親番の三元牌ふたつの仕掛けに

上家も下家も受けている。

受けている、ってゆーことは

打てない牌「白」を抱えてるってこと?

じゃあ、白での振り込みは、

ほぼないってことかしら、かしら?


けれど、場の空気がそうではない。

「白つかめ~!」

「せきにんとってね~!」

無言の圧力がびしびし伝わってくる。

ぱお。

オレが白を掴んで、それがポンでも

えらいことになる。

ヌルリときたら、おしまいだ。

ずいぶんと摩擦のない牌を、つもった。

「あっちいー!」

叩ききった白に、

ポン!の声。

「せきにんばらい」

脇の二人が振り込んでも

半分はオレの支払い。

地獄。

場の空気が「大三元パオ払」を、期待している。

長い麻雀人生でこんな思いをする日が来るなんて。

白がロンというならまだわかる。

まだ、よくあるハナシだと。

しかし、パオとは。

自分のリーチピンフの手牌を見つめる。

自分のツモ番では

「お願い!五八ツモってください!」

親のツモ番では

「お願いいたします!ツモらないでください!

ホント死んじゃいます!」

祈るような時間が続く。

結果、親の待ちは④⑦ピン。

3キロは痩せました。




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一瞬の大三元


四コマ目の講義が終わり、

いつもの雀莊へ向かう。

「おばちゃん。やきそば~」

めちゃうまな「やきそば大盛り」

を注文。

そのまま閉店まで打つ。

一時間150円の場代。

オリエンテーリング同好会という

謎のそのサークルで、

麻雀好きなO先輩に出会い、

気がつくと、私は麻雀ばかり打っていた。

私はその先輩が大好きだったので、

誘われて断ることはない。

くるひもくるひも、麻雀を打っていた。

その先輩が、

「好きな娘ができた」

というスタイリッシュな理由で

大学を中退するまでの半年の間、

ずっと一緒に麻雀を打っていた。

ダマテンをかっこよし、

振り込みかっこわるし、

謎の文化のそのサークルでは

とにかく、リーチがお得。

まげまくってれば、だいたいオケ。

ただ、このO先輩だけは、

リーチに向かってくる。

リーチと戦うことを楽しんでいる。

そういうところも大好きだった。

忘れもしないとある夕暮れ。

窓から差し込む西日のなかでの対局。

その日、最初の半莊で

いつものように

テンパイ即リーチ!

リーチ後に、切った発を

O先輩が「ポン!」

その次にツモ切った中を

これまた、O先輩が「ポン!」

そして、

案の定。「白」を掴み、

美しい48000を献上した。

雀莊の壁には、

役満おめでとう、大三元と

短冊が貼られた。

あの時の白の感触を

いまでも覚えている。

リーチをかけると、和了牌以外

全てツモ切らなければならないという

その恐ろしさ。

あれから、30年。

現在リーチを打っている私は

似たような状況に遭遇していた。






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