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手牌クラッシュ

手に伝わる牌の感触が心地よい。


一人前の麻雀打ちになったような気分だ。


一つのツモにドキドキが重なる。


タンヤオに赤が3つ。超勝負手が舞い降りた。


赤牌の3枚使いはご祝儀ももらえる。


イーシャンテンあたりから、もう自分の麻雀は


全然スタイリッシュではなかったんだ、と思う。


緊張と期待でふわふわしていた。


「おい、牌山を前にだせよ?」


常連の言葉も耳には入らない。


頑張って勝って、結果を出して


この店の麻雀打ちとして認めて欲しかった。


少し歪んだ自分の手牌をなおそうとした時、


いつもならそんなことにはならないのに


手牌13枚が真ん中からぱっくり折れて


信じられない方向に飛び散る。


自分の前の牌山と、河と、対面の河、


ご丁寧にリンシャンの牌山8枚を完全に破壊した。


空気がこおりつく。


あんなにポカポカでワクワクだった赤ドラ牌が


まるで、撃ち殺されたように横たわりこっちをみてる。


あ、あ、やっちまった。


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