牌に慣れる為に
次の日。
わたしはいつものようにその店にゆく。
点5の卓は特別な卓。
いつもたつわけじゃないし、そもそもこの店に
「点5」などというレートは存在しない。
今日はピンで。怖いけど、麻雀が打ちたい。
店に入ると、Kさんが
「おう。コーヒーでいいか?」
といつものように、声をかけてくれた。
少しほっとして、今日も打ちたいことを伝えたい。
昨日は、すみませんでした、
と口にするよりも早くKさんが
「これ、ほら。」
と、私に麻雀牌をくれる。
くたびれた東と赤くない⑤ピンだ。
「いっつも、触って牌に慣れろ。
ポケットにでも入れとけよ。」
私はいただいた牌を強く握りしめる。
嬉しかった。ありがとうございます、と口にする。
それと同時にもーれつに麻雀が打ちたくなる。
レートなんてどうでもいい。
今度こそ、ちゃんと打つんだ。
ドアが開いて、常連さんが入ってくる。
「おう、やるか?」
まるで、昨日のことなどなかったかのように
普通に点5の卓がたつ。
もう、打ってもらえないと思っていた私は
本当に嬉しくて、とにかく粗相をしないように
一生懸命に麻雀に没入する
麻雀で大切なことは、相手に迷惑をかけないことだ。
牌をこぼしたり、ためいきをついたり、
麻雀のゲームと関係ないところで、
他家に迷惑となる可能性のある行為は慎むべきだ。
麻雀は、打ってるのではなく、
打たせてもらっている、という気持ちを持ちたい。
だって、麻雀は、ひとりでは打てないのだから。
posted by ゆうゆう at 2021-04-15 10:27
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