別府 [デバサイのなんちゃって旅打ち]
その雀荘で、気が付くとみんな兄弟みたいに仲良くなっていた。
レートは点30円の地球にやさしい雀荘で。
仲間のひとりが、仕事で大分の現場に行く。
ということで、ひまぷーな我々もついてゆくことにした。
Iくんの社有車、ガソリンで動くスプリンター号の後を
600円しか持たないリッター3キロ3ナンバーのスープラと、
お金ならあるよ、のぼんぼんアウディ号が追走する。
総勢9名。
2卓たつよ。
ただ、なんか面白そうだからついてゆく。
なんか、面白いことないかな~
別府には鳥打の麻雀がある、という噂があった。
フリーのいちげんさんが、ルール説明の時に
「とりは、いくら?」
などと、のたまわったことから、話題になった大分のローカル麻雀。
とり、すなわちイーソー。これがドラで1000円
手の内にこいつがあると、和了した時に1000円もらえる。
1羽いれば、1000円。
3羽いて、ツモ和了すれば、3000円づつみんなからもらえる。
だから、ご祝儀だけで9000円だ。
ロン和了だったなら、その人から、振り込んだその人からのみ3000円。
でも、和了された人の手の中に⑦ちーぴん(ピンズのなな)があったなら、
その鳥(イーソー)を撃つことができて、その⑦の数だけ鳥を殺して
1000円を払わなくていい、というルール。
だから、例えば、1ソウアンコウの手に振り込んでも、手の内に⑦のアンコウがあれば、
祝儀の3000円は払わなくてもよい。
1ソウアンコウの手に振り込んで、手の内に⑦が1枚なら、
祝儀は2000円払わなくてはならない。
そんなルールで、さらに、
1ソウを持っている人間が、8ソウ(鳥かご)を持っていたなら
⑦を持っている人間にとりを撃ち殺されずにすむ。
1ソウアンコウの人が、⑦アンコウの人から和了した場合、
本来ならご祝儀を払わなくてよいのだけれど、
1ソウアンコウの人が、鳥かごを持っていたなら、
その鳥かごの数だけ、鳥を守ることができる。
というルール。
本当かどうかはわからないけれど、
なんか、マンズがぜんぜんニートになりそうなルールで
すごく楽しそう。
なんか、そういうルールで打ってる麻雀打ちって、
猟師みたいな感じなんだろうな。
鴨鍋とか、雀荘のメニューのお品書きにありそう・・・。
めっさ、楽しみにして、別府近辺に午後9時。
電話帳で探しても、フリーの雀荘は存在しない。
車で3時間近くかけて、麻雀の「ま」の字もない。
とりあえず、おいしい刺身を食べて
そのまま福岡へ戻りながら雀荘を探す。
きゅっといっぱいやりたくなるし、眠くなるから、との理由で温泉は却下。
車の中で麻雀のはなしばかりしているものだから
とにかく麻雀熱が高くなる。
もう、フリーでなくてもいい。
どこか、雀荘に飛び込みたかった。
結局、雀荘は見つからず、我々はただ刺身を食べに行っただけの黒歴史となった。
そのあとも、なんども大分の鳥打ちに挑戦するけれど
パチンコ打って帰ったり、
セット料金2000円のスナックにボトルを入れたり、
一度も、その麻雀の夢は叶わないままの現在。
オチ?ないですよ。ええ。
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