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そんなおかねは欲しくない

1日腹一杯遊んだあと。
1日腹一杯勉強したあと。
やはり、麻雀を打ちたい。
まだ、23時。
朝までたっぷり時間はある。
眠らないおれ。
体が動かなくなるまで遊ぶ。
メンツの調達。
スマホなんかない時代だから
直接、自宅へクルマで押しかける。
「オレ、金ないぞ?」
眠気まなこで、出てくる友人。
「誰か持っとるやろ
大丈夫や、はよいくぞ」
気がつくとクルマに4人。
そのまま朝まで打つ。
仲間内の仲間打ちは、
超絶たのしい。
けれど、いつも4人揃う訳じゃない。
お金がなくて、
何だか負けが込んで
打てなくなる友人も出てくる。
パチスロのモーニング
とバイトと、多過ぎる仕送り。
その当時いつも潤っていた私。
そんな私にとって
麻雀が打てないこと
そのことが堪らなく嫌だった。
ほんとに、みんなと
打てなくなるくらいなら
死んだほうがよい、まである。
みんなと打てなくなる
そんな勝ち金なんか欲しくない。

気がつくと、
負けが込んでいる友人に
差し込むことを覚えていた。
負けて金を払うことは嫌なので
勝ちがたまったその日のおわりに
勝ちを還元する作業。
バレないように注意する。
どんな理由があるにせよ
手を抜いていることが
バレれば、烈火のようにいかり
みな、きっと
もう遊んでくれなくなるだろう。

ある日。二着抜け五人で卓を囲む。
明け方6時過ぎ。
スズメがちゅんちゅん。
負けが込んでた友人のリーチに
バラバラのところから、
ど本命の牌を抜き打つ。
アンコウの一ワン。
後ろから、声が尖ったささる。
トイレに席をたっていた
別の友人が、声を荒げる。
「おまえ、何をきりよるんや?」
場の空気がぴりつく。

しまった。
気が抜けてた。
やばい。

「なんや、おまえ、
わざと、振り込もうとしよるんか?」
緊張感が走る。
「なんや。なめとんか?」

「間違いや。間違い。
寝ぼけとったわ」

そういって、あわてて
現物を抜く。
シラケた空気は、
その雀荘のモーニングトースト
が出てきてもなお
暫く 元にはもどらなかった。

おれは、ただ麻雀を打ちたいだけ。
みんなと麻雀を打ちたいだけなんよ。
お金なんか欲しくない。
いや、お金は欲しいけど、
麻雀で勝って、仲間からお金なんか
もらいたくないんだよ。
はらいたくもないけどね。
だって、ここで勝ったら
明日は卓立たないかも知れないやん。
大きく負けるひとが出たら
打てなくなるやん。
それだけは嫌なんよ。

それから、そのことがあってから
わたしは、フリー雀荘にばかり、
あしげく通うようになる。

最初は、わからなかった。
麻雀は博打、と思っていたから。 
でもね、 
みんなと打てればそれでよい、
そのことだけが楽しいんだ
って気づいたんよ。
けれど、これまで
仲間からさんざんお金を
まきあげとる。
その過去があるのに、
賭けずに打とうぜ!
なんて、言えるはずもない。

賭けてお金を受けとれば、
そういう意味では一生地獄だ。

現在、ノーレートの世界に
身を置いていても
自分の奥底に呪いを感じる

どんなルール、条件でも
最大限に楽しむこと。
賭ける賭けないは些事。

そう思えない自分がいる。





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