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カツ丼と焼きそば

食べながら打ってはダメよ。

お行儀悪いから、ね。


四半世紀の昔。

ブー麻雀専門店
憩荘。

ブー麻雀については

グーグル先生に尋ねてね。

憩荘フリーはブーのみ。

賑やかな店の奥に

セットのスペースがある。

麻雀が打ちたくて雀荘を探しまくり

我々は、憩荘にたどり着いた。

街中にあるため、

駐車場代のお安い深夜を狙う。

みな、一台のクルマに乗り込み

ぎゅうぎゅう詰めになって

夜中に憩荘に向かい朝を迎える。

学生セット250円のふれこみ。

当時としては破格。

学生じゃなくなっても、

場代は据え置きだった。

フリードリンク一杯なら無料。

大きなグラスになみなみと

ドリンクが注がれる。

今思えば多分、特別に融通して

くれてたんだと、思う。

お金がないときは、

商品券とかでも打たせてくれてた。

とにかく、優しいお店だった。

最長38時間位打ったこともある。

雀ボーイのひとに、三回

おはようごさいます、と挨拶をした。

ゲーム代金一万円はらいました。

お金がなくても手積みで

打つことはなく、必ず雀荘。

麻雀は、当時「してはいけないこと」

のひとつで、やっぱり

なんか後ろめたく、

その後ろめたいアウトローな

感じが、また魅力的だった。


憩荘には、いかした厨房があり

めちゃくちゃ美味しいご飯が

(注文してお金を払えば)出てくる。

卵焼き定食!500円

ギョーザ定食!500円

やきそば ?400円

そして

カツ丼⇒ 500円

憩荘に通いはじめて

一番最初に食した

卵焼き定食が、サイコー。

雄山海原も納得の美味しさ!

ごはん

みそしる

卵焼きとキャベツ

の三位一体こうげき。

気に入り過ぎて

ずっと同じメニューを

食べ続けていた。

けれど、仲間はなぜか

「焼きそば」ばかり

頼んでいる。

「焼きそば」も美味しいけどさ。

「卵焼き定食」は別次元に

美味しいのに、なんでなの?

ある深夜。仲間うちのセット。

カン二ワンのイッツー赤三ワン

親マンリーチ。

二ワンは場に二枚出ていて

まあ、無スジだし出ないだろ?

そう思って

「ご飯茶碗」を持って

サイドテーブルへお箸を。

お皿に並ぶ卵焼きくんを

迎えにゆく。

お箸でふた切れ掴もうとしたら、

てこずった。

卵焼きをごはんの上に乗せて

卓上に視線をもどして 

ビックリ、驚いた。

地獄の風景が広がっている。

この間、10秒ほど。

このわずかな時間に

風景はずいぶんと変わったものよ。

下家がアンカンをして

二ワンを切っており

対面も合わせて

二ワンを切っており(純カラ)

上家も一ワンあたりを切っており

「おまえの番じゃ、はよ切れ」

と、怒られる。

「ちょ、ちょ、ちょっと待て、

二ワン、ロン!」

慌てて、牌を倒そうとする、私。

「おまえ、いい加減にしろよ、

もう、みんな切り終わって

一周しとる。

倒したらチョンボとるぞ!」

めちゃめちゃ叱られた。

「だって、おれ、飯食いよるやん」

泣きついたけれど、

「対局中に、よそ見する

おまえが悪い、真剣にやれ!」

と、なんかさらに怒られた。

卓上は戦場。

よそ見をするなんて

もってのほかだ。

確かに、卵焼き>麻雀に

なってしまってた。

ナウい、プリンセスプリンセス

あたりが有線から流れる店内では

気をそらすと、

発声もききとれない。

そうか、みんな「焼きそば」ばかり

頼む理由がよくわかったよ。

卓上から目をそらさないため。

まあ、そうだわな。

二ワンが出るとは思わなかった。

よそ見してなきゃ多分出てないよね。

以来、憩荘を卒業するまでの10年間

メンツが五人いて抜け番じゃない

限り、ずっと片手で食せる

「カツ丼」を頼み続けることとなる。

まあ、カツ丼も味王レベルに

美味しいのだけど。

もしも、願いが叶うなら

もう一度だけあの頃に戻って

卵焼き定食の卵焼きと

ギョーザ定食のギョーザと

カツ丼、を頼んで

倒れるまで、麻雀を打ちたいな。

オロヤクなんかも飲みながら。

*オロヤクについては、
おとうさんに聞いてみよう。











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