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終電がなくなり。

何年も昔の話。


終電がなくなり、始発まで5時間。
たった5時間のために
宿を探すことは、お金と時間が
もったいなさすぎる。
ネットカフェもワンチャンあるけれど、
うっかり寝過ごしちゃうリスクがあり怖い。
どうせなら、と
朝までの時間を潰すために
タウンページをめくり、雀荘を探す。
チェーン店ぼい店名をみつけ
雀荘へ足が向かう。

魔界都市を思わせる不気味なエレベーターに

体をネジ込み3階へ。

重いバイオハザードにでてくるような

腐食したドアを体重をあずけ開き

その煙草の煙で薄暗い店内へ。

いらっしゃいませ、の言葉もない。

2卓が稼働。

そのうちの1卓は

常連様が、あーでもない、こーでもない

と講釈をたれている。

「ああ、あの卓には入りたくはないわ」

そう思う私。

ルール説明を受けているうちに、

卓が割れてしまい、

私は本当に運悪くその

常連様のいる卓に案内される。

東一局、その常連様が

後ろ見をしているメンバーと相談している。

「こういう仕掛けには、これは通る」

そう言いながら常連様の切り出した

三ワンが私の発チャンタ三色にささる。

「ロン!さんぜんきゅうひゃく!」

申告する私に

常連様は、一瞥もなく

「ザンクか」

と吐き捨てる。

点棒がたくさんとんできた。

千点棒3本。

五百点棒1本。

百点棒4本。

計8本。

わたしの麻雀の牌の切り出しが

おかしいから、振り込んだ的な話を

後ろのメンバーにしている。

そのあとも、

「昨日は全局連帯だった。」

とか、

「役満を一点読みした。」

とか、そんな話をメンバーとずっとしている。

他の二人の同卓者も常連様の子分らしく

常連ズといった感じ。

「これは切れない」といい

テンパイをしていたり、

「勝負」といって、ベタオリしたり

けちくさい三味線にも余念がない。 

常連様は、調子が悪かったらしく

朝まで4連続ラス。

私は運が良く4連続トップ。

その半荘4回の間、

ずっとその常連のマナ悪に耐え続けた。

耐え続け正着を打ち続けた。 

私が和了すればするほど

常連様の態度はけわしくなる。

「二度と来ないわ、

こんなくそみたいな店。」

と心のなかで叫び、

あーあ、不愉快な麻雀だったな、と

厚くなった財布の中身で、

ラーメンをすすった。

ついていて、負けなかったからまだよい。

これで、負けてたら目も当てられない。

まあ、勝ってたから始発まで

ラス半コールできなかった、ということも

理由としてはあるのだけれど。

悪いのは、脳の足りない常連様ではない。

それを注意できないそのお店だ。

客は、「店を信頼して」

店に足を運び、対価として時間とお金を使う。

「この店なら、よい麻雀が打てる」

と信じてそのドアをノックしている。

新規の客を大事にしない店に未来はない。

店が新規の客を大切にしていれば

店のことを思う真の常連であるなら、

その常連も新規の客を大事にする。

私は二度とこの店にいかないばかりか

私のような思いをする人間が続かないように

この店がどれだけひどいか、を

世の中にあまねく伝承し続ける。

常連も客のひとりに過ぎない。

おもいあがるべきではない。

店に毎日のように足を運んでいると

なんだか親しみがわきすぎで

店との境界線があやふやになる、

なんてことは、よくある話だ。

けれど、そんなことは、

新規のお客様にはカンケーのないこと。

少し考えりゃわかるだろ。

「常連が店を潰す」

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